デジタル化のすすめ

デジタル化をもっと知りたいあなたへ


デジタル化の推進企業は、9割に肉迫してきています。
デジタル化ができていない企業は、時代遅れと言われてしまうでしょう。
しかし、そもそもデジタルとは何のことを言うのでしょう?
また、会社がデジタル化することでどんなメリットが生まれるのでしょうか?
実際の企業のデジタル化の実例や注意点などもご紹介します。

アナログからデジタルへ


フィルムカメラがデジタルカメラになったり、レコードがCDになったり、水銀の体温計が電子体温計になったり、身の回りのデジタル化の例を挙げるとキリがないほどです。

そもそも「デジタル」とは、情報を0や1の数字で表現することです。

数字で表現されたもの(デジタル化されたもの)を、人の目や耳でも理解できるようにするには、デジタルカメラ本体や、CDプレイヤーなど、何かしら専用の機械が必要になります。

パソコンとその中のソフトや、スマートフォンとその中のアプリなども、デジタル化されたものを視覚的・聴覚的に伝わるようにするためのツールの1つです。

アナログなものがデジタル化し、そのデジタル化したものがさらに進化していくことは「デジタル革命」と呼ばれます。

デジタル化とは


デジタルのデータを作るには、もともとアナログだったものをデジタルにする(手書きの書類をスキャンしてデジタルデータにする)方法と、はじめからデジタルで作成する(エクセルやワードなどで資料を作成する)方法があります。

「デジタル化」と言うと、主に前者のアナログデータを変換してデジタルデータにすること指します。

手書きの書類を写真に撮ってJPGファイルにするのもデジタル化ですし、スキャンしてPDFファイルにするのもデジタル化、文字を読み取るソフト(OCR)を使って、書かれている文字をテキストデータにするのもデジタル化です。

ひとつのものをデジタル化するとしても、いくつかの方法がありますので、用途を考えて、どの方法でデジタル化するのがよいかを考える必要があります。しかし、複数ページを1ファイルにできることなどの利点から、書類をデジタル化するにはPDFにする方法が主流です。

デジタル化のメリット


遠隔地との情報共有

デジタルデータは、紙媒体に比べて、速報性が高いことが大きなメリットです。書類を届けるのには時間のかかる遠くの支社でも、出張先でも、海外でも、デジタル化されたデータならすぐに情報を共有することができます。

検索しやすい

検索しやすい

資料が紙や本である場合は目で探すしかありませんが、デジタル化されていれば、ファイル名で検索すればすぐに見つけることができます。デジタル化されたファイル内の本文もテキストに(OCR化)していればファイル名検索のみでなく、本文内の文章を全文検索することも可能です。 デジタル化することで、業務時間内で資料を探す時間を大幅になくすことができます。

少ない空間で保管できる

紙で保管されている資料は、明らかに保存のための場所を取ります。資料や書類、書籍などをデジタル化すると、ハードディスクやクラウドに保存することができるようになり、社内から本棚をなくすことも可能です。本棚や資料室などの「置き場所」に割いていた場所代を削減できたり、ワークスペースやゆとりの空間として活用できるようになります。

劣化しない

破れたり、日に焼けた紙は元に戻すことはできません。紙の書類はコピーを繰り返すことで文字が潰れたりすることもありますが、デジタル化されたデータは劣化しません。ただし、JPGなどの写真データは、上書き保存で加工を繰り返すと画像が粗くなることがありますので注意しましょう。また、データが壊れてしまう可能性はゼロではありませんので、大切なデータはバックアップを取っておくことをお勧めします。


再加工しやすい

写真も、JPG(ジェイペグ)やPNG(ピング)などデジタル化することができ、デジタル化した写真は、加工ソフトで簡単に加工・補正できます。書類や資料などもデジタル化していれば修正や加工が簡単に行えます。

情報漏えいリスク低減

盗み出そうという悪意に対しては、紙に印刷された情報もデジタル化された情報も、どちらもセキュリティ対策が必要になりますが、紙の情報はうっかり落としてしまったり、忘れてきてしまったりというミスが発生しやすく、その場合、悪意のない人にも簡単に見られてしまいます。

デジタルデータはファイルごとにパスワードをつけたり、セキュリティを高める策が複数あります。対策をきちんと行うことで、情報漏えいのリスクはデジタル化することで低減させることが可能です。

必要経費削減

紙の資料を置くための場所代を削減できるだけでなく、デジタル化を行うことで、コピー機のレンタル費用などの経費も削減できます。資料をコピーして、資料を後から探しやすいようにインデックス順に本棚に置くというような、人の手がかかっていた作業を効率化でき、人件費までもが削減につながります。

環境保全

環境省は「経済のグリーン化」「環境配慮経営」を掲げ、事業者が環境に配慮した経営をすることを勧めています。 温室効果ガス25%を削減目標にしている日本で、地球環境の保全は企業の責任の一つです。 企業ができる取り組みの一つがデジタル化です。 デジタル化を企業が実施することで、紙の使用量を減らすことができます。 ペーパーレス会議などのデジタル化を実現することは、企業の経費だけでなく、温室効果ガスの削減にも繋がっているのです。

デジタル化のデメリット・注意点


見づらいことがある

メガネデジタル化した場合、元の紙のサイズやスキャン時の設定によって、見やすさが左右されることがあります。解像度300dpiでスキャンした書類を、解像度100dpiのPC画面で見た場合に大きくなりすぎる等。印刷での出力の可能性などを踏まえた上で、適切な解像度設定を行って解決させます。

メモがとりづらい

メモデジタル化されたデータは、会議中などに直接メモを書き込むことが、紙に比べてやりづらいです。デジタルデータに直接メモができるツールを利用することで解決できます。

システムやネットワークの影響を受ける

ネットワーク断絶デジタル化されたデータは、PCやタブレット、スマホなどの機器を通して読むことになります。また、データを送ったり、データにアクセスしたりするときにインターネットを経由することも多いです。それらの機器やシステムが使えなかったり、ネットワークが断絶されている時などデータが開けなくなるというような影響があります。

デジタル化の活用例


デジタル化で人脈構築のスピード化

デジタル化で人脈構築のスピード化

人脈が社員それぞれの属人的になっていることに問題を感じていたA社。

名刺をまとめてスキャンし、デジタル化して可視化するようにしたところ、「新しい企画は、○○社の○○さんにぴったりなのでは?」「○○社の人と知り合えたなら、××課の製品を試してもらいましょう」と、新しい提案が出てくるようになりました。

アナログな時代に多かった「急いで○○さんと連絡が取りたいのに、○○さんの連絡先を知っている社員は外出中!」というような出来事も、 山のような名刺からちまちまと1枚の名刺を探す作業も、「どちらが新しい名刺なのかわからない!」というような悩みも、 名刺のデジタル化で、すべて無くなりました。


デジタル化で社員学習

デジタル化で社員学習

長い歴史のあるB社。古い社報はもう1部ずつしか残っておらず、経年劣化が激しく、貸し出しは難しい状態でした。

社報をすべてデジタル化して共有したところ、社員研修でも紹介できるようになり、興味を持った社員が空き時間を利用して会社の歴史を学ぶようになりました。

日の浅い社員でも、古い馴染みのお客様と話が弾むようになり、「以前あったあの製品はもうないの?」と聞かれた際、社報の写真で確認。どこかどう良かったか詳しく話を聞くことができて、そのまま受注につながったそうです。


デジタル化で営業成績向上

デジタル化で営業成績向上

営業マンがこれまで持ち歩いていた、大きな図面や古地図。

図面ケースを持って電車移動は大変で、かつ、古い図面が資料として社内で場所を取っていたC社。

図面をまるごとデジタル化することで、何件回ろうが、持つのはタブレットPCだけで済むようになりました。

資料として保存されていた古い図面も、ネットワーク上のクラウドにアップされたため、営業先でも話の流れのまま、過去の事例として古い図面を紹介することができるようになり、営業がスマート&スムーズになりました。

これまで図面が山となっていた場所は、ゆったりしたソファーとコーヒーマシンを置いて、ゆとりの空間として生まれ変わりました。

デジタル化推進の流れ


企業がデジタル化していくことは、現代は当然の流れです。
日本の行政でさえ、デジタル化は1994年(平成6年)から計画が立てられ始め、
平成11年(1999年)には電子政府の実現が目標とされ、
実際に平成15年までに電子政府の基盤が構築されました。
一般企業では88%がデジタル化を「推進している」と回答しています。

2017年CDO調査デジタル化の推進状況

2017年CDO調査デジタル化の推進状況

引用元:Strategy&

デジタル化のための「CDO」という役割


デジタル化ができていない企業では、CDOという役割が設置されることもあります。CDOとは、Chief Digital Officer(チーフデジタルオフィサー)の略で、デジタル化を行うための最高責任者という意味です。

どういった部分をデジタル化することで顧客満足度が上がるのかを考え、社内の人間のスキルも理解し適切なバランスでデジタル化を進め、デジタル化のポリシーとリテラシーを社内に定着させていきます。

CDOを設置するのは、デジタル化のために新しくプロジェクトチームを結成するほどの大企業の場合です。テクノロジー系でない職種の場合は特に、デジタル化も大きなプロジェクトになります。

その大きなプロジェクトを実施しなければならないほど、デジタル化は現代企業の常識と化してきているのです。

デジタル化のための法律


法人税に関わる書類は1965年に施行された「法人税法」で、所得税に関わる書類は「商法」や「有限会社法」などをまとめた「会社法」で、保存が義務付けられています。 企業は7年間、または10年もの長い期間、さまざまな書類を保存しなければいけません。 領収書や現金出納帳はどんどん溜まり、保存期間5年でよかったものも7年になったりと、事業者たちを悩ませていました。 困っていた事業者を救ったのが1998年の「電子帳簿保存法」、書類の電子保存の要件がまとめられた新しい税法に関わる関連法令です。

2004年には、これまで「紙」での作成や交付等が義務付けられていた文書や書類も、 電子データでの保存を容認す「e-文書法」が制定され、2005年に施行されました。

「電子帳簿保存法」も時代に合わせて改定が行われ、厳しかったスキャナ保存の要件も緩和されて実用的になっていきました。

「電子帳簿保存法」と「e-文書法」が施行されたことが、書類のデジタル化を加速させるアクセルになったことは間違いありませんが、 そもそも、日本の企業がデジタル化してきている背景を受けての法律です。 21世紀に入る前から、デジタル化は国を挙げて着々と推進されているというわけです。

「電子帳簿保存法」と「e-文書法」の内容ついては「5分でわかる電子化とe-文書法」のページで紹介しています。

デジタル化の本質〜デジタル革命

デジタル化の本質は、「デジタル革命」とでも呼ぶべき人類史レベルの変革、という点に見出すことができるでしょう。
「デジタル革命」により、産業、経済、国家、人々の日常生活、労働、価値観、人生観、倫理観といった領域までもが、
大きな変化をとげる可能性を指摘されています。
それは決して遠い未来の話ではなく、今この瞬間にも現在進行形で進んでいる出来事なのです。私たちは今、200万年に及ぶ人類史上の大きな転換点に生きているのかも知れません。
本稿では「デジタル革命」がもたらす、経済や産業に対する影響、行政や国家に対する影響、さらに人としての尊厳や生き方・働き方に対する影響などについて考えていきます。

デジタル革命がもたらす第四次産業革命


私たちは今、第四次産業革命の真っ只中で生活を送っています。
ご存知のとおり、第一次産業革命は18世紀末の蒸気機関などによる機械化の産業革命。第二次産業革命は20世紀初めの電力利用による大量生産の産業革命。第三次産業革命は1970年代初頭に始まったIT活用による産業革命です。
そして第四次産業革命は、ビッグデータ、AI、ロボットによる産業革命です。これにより、新たな経済ルールが生まれ、既存の業種・業界の垣根が壊され、人々の価値観・人生観といった領域にまですでに影響が出始めています。
第四次産業革命ついては、2016年に開催された世界経済フォーラム(ダボス会議)や、2017年に内閣府が発表した白書『日本経済2016-2017』においても主要テーマとして取り上げられています。世界のビジネスマンや政治家が注目する事象が第四次産業革命であり、それは「デジタル革命」そのものとも言えるでしょう。

日常生活(IoT)とビッグデータ、ビッグデータを分析するAIのイラスト

新たな経済ルールの登場・データエコノミー

デジタルテクノロジーが生み出す経済ルール

今、人々の生活や企業の活動や自然現象などを、デジタル化した大量のデータとして蓄積・分析・活用する動きが加速しています。こうして得られた非常に大量のデータは、ビッグデータと呼ばれています。

実はこうしたデータ収集の動きはずいぶん以前からありました。コンビニエンスストアで買い物をすれば、どのような年齢層の、どの性別の人が、どの店舗で、何時に、何を購入したといった情報がレジ端末によってデジタルデータ化されマーケティングに活用される、といった類です。しかし、AI(人工知能)が実用化する以前は、せっかく得られた大量のデータも高い精度で分析するすべがありませんでした。

しかし今、デジタル化された大量のデータはAIというデジタルテクノロジーによって精度の高い分析を加えることができるようになりました。こうして得たビッグデータは、従来の経済社会の石油と同じような価値を持つとまで言われ、企業にとって非常に大きな価値・資産となっています。

AIが実用化され、データの質も量も以前とは格段に違うレベルに発展した現在、企業や国家はAIを用いたビッグデータの活用にこぞって取り組み、それは競争力の源泉になっています。
こうした潮流は「データエコノミー」と呼ばれ、デジタル化社会が生み出した新たな経済ルールとして注目され、第四次産業革命を支える基盤となっています。

GAFA(ガーファ)であるGoogle、Amazon、Facebook、Appleのロゴマーク
ビッグデータを収集する基幹テクノロジー

データエコノミーの誕生には、もちろん「GAFA」の存在が大きく関わっています。ご存知のとおり「GAFA」とは、Google、Amazon、Facebook、Appleのことです。

検索エンジン、e-コマース、SNS、携帯端末と、主要分野は異なりますが「GAFA」には共通点があります。人々や企業の行動を、デジタル化した大量のデータとして蓄積・分析・活用している点です。それぞれが蓄積するデータの量、質ともに、従来の国家レベルを超えているのではないでしょうか。

「GAFA」が桁外れのビッグデータを蓄積できるのは、それぞれが世界トップレベルの「プラットフォーマー」だからという点も見逃せません。

「GAFA」は世界レベルの検索エンジンやグローバルなe-コマースといったプラットフォームを構築し、世界中の企業や個人がそこに集まる仕組みをつくりあげました。

「GAFA」に代表される巨大プラットフォームは今や基幹産業であり、その技術は基幹テクノロジーと言っても過言ではありません。そのプラットフォームの中で、世界中の様々な企業と世界中の様々な消費者が活動しているのです。そしてその活動の度、新たなデータが生成され分析・活用されていくのです。

「GAFA」に代表される世界レベルのプラットフォーマーは、消費者も企業も取り込んで地域や国境に左右されない、全く新しい経済圏を創出したといえるでしょう。そして「GAFA」はその経済圏をコントロールしているわけです。

ところで「GAFA」がデジタル化するデータは、人の行動だけではありません。例えば Googleが運用するGoogle Earth 。地球上のあらゆる場所の高精度な衛星画像を自由な縮尺で閲覧できます。画像には緯度経度の情報や既存の地図情報などが紐つけらたことで、様々な活用法が生まれました。現在Google Earth は、地球にとどまらず、宇宙にまでもデータ化の領域を広げ、はるか遠くの銀河までもが閲覧できるようになっています。

Google ストリートビューにも驚かされました。世界のあらゆる場所の道路や施設をパノラマ画像の形式でデータ化してしまったのです。ストリートビューの実現にあたりGoogle は、360度カメラを搭載した車両で世界中のあらゆる道路を撮影しながら走破したといいます。一民間企業の行う事業とは思えない、圧巻スケールのビッグデータです。

様々な方法で蓄積したビッグデータをAIによって分析し、それを的確なビジネスモデルで活用するという、巨大プラットフォーマーが用いる一連の技術は、第四次産業革命の基幹テクノロジーといえるでしょう。そして世界の巨大プラットフォーマーは、データエコノミーを牽引する基幹産業としての地位を確立しつつあるのです。

企業の時価総額
所有するデータ量が時価総額に直結

GAFAに代表される世界レベルのプラットフォーマーは、消費者も企業も取り込んで地域や国境に左右されない、全く新しい経済圏を創出したともいえるでしょう。そしてGAFAはその経済圏をコントロールしているわけです。言葉を言い換えれば、データエコノミーが世界の経済秩序に大きな変革をもらたしている、ということが言えるでしょう。

こうしたことはGAFA各社の時価総額を見れば明らかです。2019年1月の世界の時価総額ランクでGAFAの位置づけは次のとおりです。

1位 アマゾン 8,100億ドル(約81兆円)
3位 アップル 7,153億ドル(約71兆円)
4位 Google 7,006億ドル(約70兆円)
7位 フェイスブック 3,424億ドル(約34兆円)

この時価総額ランクで、フェイスブックより上位にランキングされたIT関連以外の企業は、6位のジョンソン&ジョンソンただ1社。ちなみに2位はマイクロソフト。5位はアリババ。
数字が大きすぎてよくわからないので、比較例をあげましょう。

自動車の売上高で世界1位、日本最大の企業であるトヨタ自動車の2018年末の時価総額が、約21兆円です。
旧来は花形であった自動車産業の世界トップであるトヨタ自動車の、4倍近い時価総額をアマゾンは獲得しているということになります。フェイスブックの時価総額よりもトヨタ自動車のほうが低いという事実も、少々衝撃を受けます。

世界3位の経済大国、わが国・日本の2019年度国家予算が約100兆円。 つまりGAFA各社は日本の国家予算に匹敵する時価総額を持っているということになります。

この数字を見れば、データエコノミーが世界経済の新ルールになり始めているという事実に納得せざるをえません。そしてここには、企業の時価総額はビッグデータの保有量に直結する、という法則も成立しているのではないでしょうか。

車を運転している男性

既存の産業構造を破壊するデジタル・ディスラプション

デジタル・ディスラプションとは

近年、ビジネスシーンでデジタル・ディスラプションという言葉が話題になることが増えました。
デジタル・ディスラプションという言葉は、「インターネット・スマートフォン等の既存のデジタル・プラットフォームを利用した新たなビジネスモデルにより、既存産業の存在を脅かすほどのインパクトを与えている新興企業の動き」、と解釈されることが多いようです。新興企業がデジタル技術を駆使して既存産業を破壊してしまう、というわけです。既存の企業内で、デジタル・ディスラプションにどのように対抗するか、といった類の検討も盛んにおこなわれるようになった、とも聞きます。
デジタル・ディスラプションは、デジタル革命・第四次産業革命を象徴する動きといえるでしょう。

デジタル・ディスラプションの代表例としてよくあげられるのが、米国に拠点を構えるUberです。
Uberは、自社サイトに登録するタクシーや一般ドライバーの自動車を、希望するユーザーに配車するサービスを手掛ける新興企業です。ユーザーはスマートフォンの配車アプリで気軽に配車の手配をすることができます。

2009年に創業したUberは、2015年時点で世界70カ国・450都市以上で事業を展開し、その売上高は約1兆3000億円と推定されています。自社で自動車を所有しない企業が世界的な巨大タクシー会社に発展したということです。

特徴的なのは、プロのタクシードライバーだけでなく一般ドライバーが空き時間に自分の車を使って手軽にタクシー業務をできるようにしている点でしょう。自分の空き時間と遊休スペース(自家用車の空き座席)を他人とシェアするという点で、シェアリング・エコノミーの代表格ともいえます。
シェアリング・エコノミーという言葉もまた、第四次産業革命を象徴するキーワードのひとつです。

ちなみにそのUberですが、日本においては、それが白タク業務(無許可タクシー)にあたるという法規制の影響で、本格的な事業進出がままならない状況です。

古い書店とデジタル化した本のイラスト
非効率な産業が破壊される

デジタル・ディスラプションは、非効率な産業やビジネスモデル、大きな弱点のある製品等を、デジタル・テクノロジーやデジタル・プラットフォームを駆使して問題解決します。そしてその結果、既存産業や業界を破壊してしまうのです。

例えばEコマースの巨大企業・アマゾンは、デジタル・プラットフォームを用いて書籍の販売や流通における非効率な部分を解決することでスタートアップしました。
そして今、日本でも、町に点在していた書店はめっきり少なくなりました。もちろんアマゾンだけが原因ではありませんが、書籍の販売・流通といった産業がアマゾンの影響を受けたのは事実でしょう。

アマゾンの影響は書籍にとどまらず、多様な製品の販売や流通に大きなインパクトを与えるまでになっています。

さて、前述のUberの場合、タクシー・ドライバーによるボッタクリなどが横行しているような国々では特に、既存業界にとっての脅威が大きくなります。
ユーザーがドライバーを評価する仕組みが、実は既存タクシー業界にとって脅威なのです。ユーザーは評価の高い良心的なドライバーを選ぶわけですから、横柄なドライバーは仕事にありつけなくなる、というわけです。

さらにプロのタクシー・ドライバーではない一般ドライバーが、既存タクシーの競争相手となります。Uberに登録する一般ドライバーは、空き時間にちょっとした小遣い稼ぎをする感覚です。タクシー会社に勤務するような拘束がありません。元々所有している自家用車を使うので初期投資も不要です。そうした気軽さから、プロでない登録ドライバーが増えます。一気にタクシー・ドライバーの競争相手が増えるのですから、既存タクシー業界にとってはこれは脅威です。

また、ユーザーがスマートフォンで配車予約する際、支払う料金や走行ルートはすでに確定しています。わざわざ遠回りをして料金を高くしようとするような悪質ドライバーは排除される仕組みになっています。
これは、既存タクシー業界の非効率な点や弱点を、配車アプリというデジタル・プラットフォームによって解決した仕組みといえるでしょう。

このようにして非効率な産業を駆逐していくのがデジタル・ディスラプションなのです。

バス・タクシー・自家用車の利用とUber(スマホ)の利用で迷う人のイラスト
インパクトは業種を超える

デジタル・ディスラプションのインパクトは、業種を超えてその周辺産業にまで影響をもたらします。

前述のUberの場合、直接的な脅威となるのはもちろんタクシー業界です。横柄なドライバーを沢山抱えているような古い体質のタクシー会社ほど、その影響を強く受けることになります。
しかし、脅威を感じているのはタクシー業界だけではありません。その周辺の産業・業界も戦々恐々としているのです。

例えば、バス会社や鉄道会社などの既存の運輸業界全体にもインパクトを与えているといわれています。安心して手軽に配車してくれるなら、バスでなくUberを使おう、というユーザーが増えてしまうという懸念があるからです。

さらには、自動車製造・販売といった従来の巨大産業にまで、その影響が及ぶだろう、ともいわれています。シェアリング・エコノミーという概念・価値観の浸透で「モノは所有するのでなくシェアする」という流れが加速し、自家用車の販売台数が減ってしまうとの懸念がされているのです。

このように、業種の垣根を越えて周辺産業までも破壊してしまうほどのインパクトを持つのがデジタル・ディスラプションなのです。

ところで、国によっては、Uberのようなディスラプターを排除しようとする、新たな法規制を実施する動きも見られます。確かに一般ドライバーが旅客を乗せる業務を行うことには、安全面での不安がある、という指摘はあながち無視はできないでしょう。
こうしたことからデジタル・ディスラプションは、国家の運営にまでインパクトをもたらしているということがいえるのではないでしょうか。

デジタル経営のイメージ

デジタル経営時代の到来

さて、ここまで、データエコノミーとデジタル・ディスラプションを引き合いに出して「第四次産業革命」・「デジタル革命」について論じてきました。
第四次産業革命が進行する今、企業には「デジタル経営」時代が到来しているという認識のもと、「デジタル経営」時代 に対応した事業戦略を構築することが不可欠とといえそうです。

そこでここからは、「デジタル経営」にまつわる代表的な事象を紹介しながら、「デジタル経営」時代について考えてみたいと思います。

進化するデジタルマーケティング
進化するデジタルマーケティング

マーケティングの分野は、早い段階からデジタル革命の影響を受けた領域でした。インターネットでヤフーやグーグルでの検索が一般的になり、一般ユーザーもブログで情報発信を始めた頃が、デジタルマーケティング時代のスタート地点だったといえましょう。当時、検索キーワード広告やバナー広告といったインターネット上の新たなマーケティング手法が登場しました。

以来、デジタルマーケティングはさらにスピードを上げて進化を続けていますが、それはデジタル・テクノロジーの進化と歩調を合わせています。
スマートフォンの登場はその一例です。スマートフォンにより、人々は場所を選ばずインターネットを閲覧するようになりました。

合わせて、通信インフラのテクノロジー進化により、スマートフォンが扱えるインターネットの情報量は飛躍的に大きくなりました。これによって実現したのが、ストレスのない動画の閲覧です。マーケティング・サイドの視点から見れば、例えば電車で通勤途中の人に動画で広告を見せることが可能になったわけです。また、GPSによる位置情報を扱える点も見逃せません。

スマートフォン等のデバイスや通信インフラの進化と同時に、SNSなどのデジタル・プラットフォームも進化しています。
前述のUberの配車アプリも、そうしたデジタル・プラットフォームのひとつで、スマートフォンのユーザーをターゲットにマーケティング活動を展開する新たなマーケティング手法と見ることができるでしょう。

マーケティング担当者は、そうした多様な媒体をマーケティング戦略の選択肢として持てるようになっています。UberやフェイスブックやLINEのように、自社でデジタル・プラットフォームを運用するという選択肢もありますし、既存のデジタル・プラットフォームを活用する選択肢もあります。

ところで、デジタルマーケティングの進化を語る上で忘れてはならないのが、マーケティングのターゲットを絞り込む「精度」の向上です。ビッグデータをAIによって分析するデジタル・テクノロジーが飛躍的な進化を遂げているのです。

少々荒っぽい言い方をすれば、従来のマーケティング分析はいわば「経験と勘」によるものです。それに対してAIはリアルタイムなビッグデータを分析します。元になる情報量が違います。次元の違う高い精度の結果を算出するのは当然です。

スマートフォンは一人一台。つまり、AIは完全にパーソナライズされた分析を実行することが可能です。「今、渋谷のスクランブル交差点を歩いているファッション好きな20代のOL」だけに広告を配信する、といったことが可能になりつつあるのです。

デジタルマーケティングは、デジタル・テクノロジーの進化とともに、今後もさらに進化を続けます。例えば、近い将来、自動車はインターネットにつながります。自動車の運転を制御するシステムの情報やドライバーの状況などもデジタル化され、ビッグデータとして取り込まれます。
これは、走行中の自動車もマーケティング媒体になってしまう、ということを意味します。

このように、第四次産業革命が進む今、デジタルマーケティングも進化の速度を上げ、企業経営に大きな影響をもたらしはじめているのです。

ひとつのモノをシェアしている人たちのイラスト
人々の価値観を変えるシェアリングエコノミー

シェアリングエコノミー(共有型経済)という言葉も、第四次産業革命を象徴するキーワードのひとつです。シェアリングエコノミーとは、所有する遊休資産を他人とシェア(共有)して活用し、新たな経済価値を創出することを指します。

このシェアリングエコノミーという新たな経済概念は、欧米を中心に大きな広がりを見せ、人々の経済的な価値観にも影響を与え始めています。

前述のUberは、シェアリングエコノミーの代表格です。
個人の所有する自家用車の空き座席(遊休資産)を、移動手段を求めているユーザーに貸し出す(シェアする)ことで、運賃を稼ぎ出す(新たな経済価値を創出)のが、Uberのビジネスモデルです。

こうしたビジネスモデルが成立するためには、もちろんデジタル・テクノロジーとデジタル・プラットフォームが欠かせません。Uberはスマートフォンの配車アプリという形式のデジタル・プラットフォームで、このビジネスモデルの成立を実現させました。
貸し手と借り手を配車アプリでマッチングさせているわけです。

こうしたシェアリングエコノミーは米国のAirbnbが発祥とされています。
Airbnbは民泊仲介事業を手がける会社で、2015年時点で、世界192カ国、80万施設以上の宿泊施設を提供しているとされています。
Airbnbが着目した民泊とは、貸し手が所有したり賃借している不動産について、自分が使用しない時( 遊休資産 )にだけ、他人に貸し出し(シェアする)、賃料を稼ぎ出す(新たな経済価値を創出)、というものです。
このビジネスモデルもももちろん、貸し手と借り手をデジタル・プラットフォームでマッチングさせています。

現在、世界ではUberやAirbnbと同様のシェアリングエコノミーのビジネスモデルが数多く出現するようになりました。

カーシェアリングもその流れのひとつです。自家用車の稼働率というのは非常に低く、かなり多くの時間、動いていない、つまり 遊休資産の状態にあります。それなら自家用車は所有しないで、他人とシェアしてはどうか、という発想がカーシェアリングです。
こうしたシェアリングエコノミーの潮流は、人々の価値観・経済感覚を変化させ始めているといわれています。従来の人々の価値観は、「所有」に強いこだわりがありました。それが今、シェア(共有)する経済感覚に変化しようとしているのです。

こうした人々の価値観は産業のあり方にも大きな影響を与えることが予想されています。
例えば、Uberのようなビジネスモデルやカーシェアリングは、自動車の販売台数の大幅な減少をもたらすことが想像できます。自動車業界にとっては企業の存続を脅かしかねない大きな経営課題です。

シェアリングエコノミーが一般化し始めた現在、人々の価値観・経済感覚の変化に対応する戦略を企業経営者はとらなければなりません。これはデジタル経営時代の大きな経営課題といえるでしょう。

スマホから送金しているイラスト
Fintechがもたらす金融の構造改革

FinTechという言葉もまた、デジタル経営時代を語る上で欠かせないキーワードです。
Fintechとは、ファイナンスとテクノロジーを組み合わせた言葉です。デジタルテクノロジーを駆使した革新的な金融サービスの総称で、第四次産業革命の代表的な事象のひとつとされています。
FinTechという言葉は、決済や送金、融資、投資、はたまた仮想通貨までと、とても広い範囲を指します。

FinTechもやはり、デジタルテクノロジーとデジタル・プラットフォームを用いて実現されるものですが、金融業界だけでなく、様々な企業経営の脅威となり、またビジネスチャンスともなりうる事象なのです。
身近なところではスマートペイメントがFinTechの事例として挙げられます。例えば交通系ICカードですが、交通機関の利用だけでなくコンビニエンスストアでのちょっとした買い物での決済にも利用できます。

クラウドファンディングという言葉も最近よく耳にするようになりましたが、これもFinTechの代表例です。何かを実現するための資金調達をインターネット上のデジタル・プラットフォームで行うものです。資金調達したい人と資金の出し手をインターネット上でマッチングさせる仕組みです。
このクラウドファンディングも今、かなり身近なものになっており、筆者の知り合いはアマチュアの音楽ライブの資金調達にクラウドファンディングを利用していたりします。

仮想通貨もFinTechの代表的な事例です。従来の通貨は国家の保証という信頼の上に成り立っていましたが、仮想通貨には国家の保証がありません。保証のない通貨が一般に受け入れられるというのは、デジタル革命時代の大きな衝撃であり、人々の価値観の大きな変化でもあります。

仮想通貨は、高度なデジタルテクノロジーによって、改ざん不能で利用履歴の追跡が可能な仕組みの実現がされています。

仮想通貨の一般への普及は、企業のみならず、国家のあり方にまで影響を与える事象といえるでしょう。このようなFinTechの動向や通貨に対する人々の価値観の変化も、デジタル経営時代を生きるビジネスマンは留意しておく必要がありそうです。

医療・ペット・飲食などの業界の垣根のイメージ
デジタル革命が業種・業界の垣根を壊す

ここまで、デジタルマーケティングの進化やシェアリングエコノミーという新たな経済概念、Fintechによる金融の変化について触れてきましたが、いずれも、既存の業種や業界の垣根を越えた経営上の変化をもたらす事象です。

デジタルマーケティングの進化は、既存の広告媒体という概念を壊し、広告業と販売業の垣根も越え始めています。
Uberの配車アプリは業務用自動車と自家用車の垣根を壊しました。Airbnbは既存の旅行業界や宿泊産業の垣根を壊しています。
仮想通貨は国家の中央銀行や既存の銀行の垣根を越えました。クラウドファンディングも既存の銀行の役割やファンドの役割を超えました。

第四次産業革命・デジタル革命は、業種や業界の垣根を破壊するような大きなうねりを引き起こしているといえます。

デジタル経営時代が到来した今、企業経営に関わるビジネスマンはこうした変化をしっかり受け止め、それに対応していくことが求められているのではないでしょうか。

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