EPUB(イーパブ)
EPUBとは電子書籍の規格のひとつです。
「Electronic PUBlication」の略で、拡張子は「.epub」。国際標準に近い技術仕様ということで普及しつつあるファイルフォーマットで、多くの電子書籍ストアが採用しています。
EPUBの歴史はまだ浅く、初版は2007年です。
日本では2011年にリリースされたEPUB3.0が普及のきっかけとなりました。これは日本語の特徴である縦書きやルビ(ふり仮名)がEPUBの仕様に追加されたことが大きな理由です。
EPUBの特徴は「リフロー型」と呼ばれる形式が使えることです。
リフロー(reflow・再レイアウト)型だと、表示する閲覧環境によって文字の大きさや行間が変えられ、それに合わせて画面内で表示される文字数も変わります。またレイアウトの変化・ページ数の増減だけでなく、文章へのマーカー(印)や語句の検索など、テキストデータならではの便利な使い方もできます。
リフロー型に対して「フィックス(固定)型」という形式もあります。こちらは文字どおり固定された表示になるため、閲覧環境によって内容が拡大・縮小することはあってもレイアウトは変わりません。PDFファイルなどがこれに当てはまります。
EPUBの場合、レイアウトに流動性があっても支障が少ない小説やビジネス書といったテキスト主体の書籍が向いており、マンガや雑誌、図鑑といったレイアウト重視の書籍には向きません。
企業であれば、パンフレットなど複雑なレイアウトを駆使したコンテンツはPDFに、社内マニュアルといったテキスト中心のコンテンツはEPUBにするのがおすすめです。
EPUBとPDFを上手に使い分けることができれば、さらなる快適なペーパーレス環境が実現できることでしょう。