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OODAループ(ウーダループ)

デバイスが進化したことで情報拡散のスピードがあがり、市場にも影響を及ぼすようになりました。今までは計画を立てて実行する、という流れで進めていたビジネスも、変化に合わせて対応できる柔軟さが求められるようになっています。そこで注目されるようになったのが「OODAループ(ウーダループ)」というフレームワークです。

OODA(ウーダ)とは「Observe(観察)」、「Orient(判断)」、「Decide(決定)」、「Act(実行)」の頭文字からとった略語です。この四つの工程を繰り返す = ループさせることで、状況を把握しつつ意思決定を行えます。この理論を提唱したのは、アメリカ空軍のジョン・ボイド大佐です。コンマ何秒という瞬間に決断しなければならなかった自身の経験から、意思決定プロセスを分かりやすくし、軍事戦略として共有しました。そして1989年、アメリカの経営評論家トム・ピーターズ氏によって紹介され、ビジネスでも活用されるようになったのです。

「Observe(観察)」「Orient(判断)」「Decide(決定)」「Act(実行)」の頭文字からOODA(ウーダ)と言われています

汎用性のあるビジネスフレームワークとして有名な「PDCAサイクル(ピー・ディー・シー・エー・サイクル)」は、さまざまな分野で使われていますが、近年では変化への強さを求めてOODAループを取り入れる動きが多く見られます。では、PDCAサイクルとOODAループにはどのような違いがあるのでしょうか。

PDCAサイクルは「Plan(計画)」、「Do(実行)」、「Check(評価)」、「Action(改善)」の頭文字で、「計画を実行し、その結果を確認・改善することで次の計画を立てる」という品質改善に重点を置くフレームワークです。主に品質管理や生産管理に用いられます。一方、OODAループは「観察から状況判断し意思決定、実行する」という問題解決に重点を置くフレームワークです。新規開拓や商品開発に用いられます。
また、最大の違いはPDCAは「サイクル = 一回り」、OODAは「ループ = 輪っか」だということです。PDCAサイクルは計画から改善まで一定方向へ進むのに対し、OODAループは観察から実行まで一連の輪の中を自由に行き来できます。例えば観察から判断し、決定する間に別の要素が入ってくれば、また観察に戻って進めることができるのです。「とりあえずやってみる」の結果を観察し、次の意思決定につなげていく、ということもできます。このことからPDCAサイクルは中・長期的、OODAループは短期的に回していくフレームワークだと言えるでしょう。

最後にOODAループのメリット、デメリットについてご紹介します。

メリット

  • 柔軟性
    OODAループはゴールを決めてクリアしていくものではなく、現状を把握して行動するフレームワークです。先が予測できないような変化が激しい状況でも、柔軟に対応できるようになります。
  • 即応性
    状況が変わればそれに応じて行動も変わります。臨機応変に進めていける即応性もメリットの一つです。
  • スピード感
    上位者が計画を見直して指示するのではなく、現場の状況から判断し意思決定をするので、短期間で実績を積み重ねていくことが可能です。

デメリット

  • 前提となる観察、判断が間違っていれば失敗する
    観察の対象や最終的な着地点を意識せず、むやみにOODAループを活用してもうまくいきません。失敗を防ぐためには、全体的なビジョンや目的などの認識を、メンバー間で共有することが大切です。
  • 定型作業の改善などには向いていない
    OODAループは状況の観察から意思決定をするフレームワークのため、ルーティンワークのような既に型が決まっている作業の改善などには向いていません。目標や計画を立てて作業し、評価というフィードバックがあるPDCAサイクルを用いると良いでしょう。

関連記事:現場に合ったビジネスフレームワークを取り入れていますか?

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