データドリブン
インターネットが普及し企業が自社のホームページを持つようになると、アクセス解析サービスが登場しました。解析データによって市場の傾向を見出し、フィードバックすることで効率よく広告を出す、というサイクルが生まれ、より的確でスピーディーな対策ができるようになりました。営業支援や顧客管理などもデータベース化され、さまざまな情報が蓄積されていくに従い、データを集め、分析に基づいて意思決定をするスタイル「データドリブン」という考え方が浸透していったのです。
データドリブン(Data driven)を直訳すると「データ駆動」、つまりデータによって動くことを意味します。データという客観的な事実に基づくため、より合理的な意思決定につながります。一方、対義語とされる「KKD(勘、経験、度胸の頭文字)」は積み重ねてきた情報に主観が入るため、偏った決定になる傾向が見られます。
データドリブンは情報化社会が進み市場の移り変わりが激しくなるに従って、ますます主流となりつつある手法です。では、データドリブンを取り入れてみたいと考えている場合、どのようなステップを踏めばよいのでしょうか。
ステップ1、実施目的の設定
やみくもにデータ分析をしても意味がありません。まずは最終的に何を達成するためのデータドリブンなのかを設定します。例えば「売り上げを上げる」の場合、売り上げを構成する項目が何なのかピックアップします。さらにその項目は何で構成されているのか…というように細分化していくことで、最終目標を達成する施策づくりに必要なデータ項目が選定できます。
ステップ2、データ収集・整備
データドリブンの肝となるデータ収集です。既に蓄積したデータがあっても、実施目的に即したものではなかったり、必要な件数には足りなかったりという場合もあります。データの質と量が不十分であれば、改めて適切なデータ収集を行います。
また、データクレンジング(※1)や名寄せ(※2)を行ない集めたデータを最適化することも、正しい結果を導くのに重要な工程です。
※1 データクレンジング:誤記や表記ゆれ(「株式会社」と「(株)」のように同じ意味で違う表記のこと)を修正し、データ整備をする作業。
※2 名寄せ:整備したデータから重複しているものを結びつけて一つに統合する作業。
ステップ3、集計・分析
集めたデータを集計し数値を出していくとともに、問題点や伸び代などを洗い出すといった分析も行なっていきます。その際、数値をグラフ化するなど分かりやすい形に加工すると現状把握がしやすくなりますし、立案時や実行後の検証資料としても流用できます。
ステップ4、意思決定
分析結果を受け、どういった施策をしていくか意思決定をします。
実行に移してからは定期的に効果測定を行い、そこから導き出される傾向に合った対策を施していきます。ここでもデータが活用されるということですね。
データドリブンがうまく導入できない、という場合は、上記の4ステップを見直してみてください。
例えば、「データドリブンとは今あるデータから分析するもの」という思い込みで進めてしまうケースがありますが、それではデータの質や量が揃わず、正しい分析結果につながりません。ステップ1をもとに適切なデータ収集を行うことが重要です。また、データはあっても分析がうまく行かないケースは、ステップ3で数値を表やグラフなどで可視化することで解消することが多いようです。さらに、データ収集と分析をしても、意思決定につながらないケースもあります。そのような場合はまず、現状どのような問題点があるのかを洗い出し、実施目的を見直す必要があるでしょう。
さまざまな書類からデータ収集する場合は、一括して電子化することをお勧めします。OCR処理を施せば、文字情報を抜き出すことも可能です。電子化後の活用についてご相談いただければ、ペーパーレスアドバイザーや文書情報管理士の資格を持つスタッフが最適なプランをご提案いたします。ぜひお問い合わせください。