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パブリックドメイン

文章や絵画、写真、音楽など全ての著作物に存在する権利「著作権」は、主に著作物や著作者を守るための制度です。著作物を創作した時点で自動的に発生するもので、権利を得るために手続きをする必要はありません。著作権があることで、その作品が無断で使われたり複製されたりするのを防いでいます。

しかし、著作権が失効している著作物もあります。それらは「パブリックドメイン」と呼ばれ、社会全体の共有財産として広く活用することができます。パブリックドメインは著作権以外に特許権や不正競争防止法、商法など、知的財産権全般が対象となりますが、今回は著作権に絞ってご紹介していきます。

パブリックドメインは著作権が消滅した作品などが該当します。

著作権の失効とは、下記のようなケースで起こります。

1、著作権の保護期間が終了

著作権は土地の所有権のように譲渡や相続することができます。ですので、著作者が生存している期間だけでなく、死後も一定期間保護されます。

以前は著作者の死後50年間を保護期間と規定していましたが、2018年12月30日、TPP整備法(※)に伴い改正され、死後70年間に延長されました。国際的に死後70年というのが主流であり、TPPをきっかけに日本も足並みを揃えたかたちです。また、映画や団体名義の著作物、作者不詳やペンネームだけで著作者が確認できない際は、著作物の公表後70年間を保護期間としています。
※TPP整備法:環太平洋パートナーシップ協定(Trans-Pacific Partnership Agreement)締結に伴って、関連する法律を調整するための法律が成立。2016年12月16日に公布されました。

死後70年の期間は、死亡した年の翌年1月1日から起算します。
例えば2020年1月1日に亡くなっても、2020年12月31日に亡くなっても、保護期間は2021年1月1日から起算するため、どちらも2090年12月31日までということです。
TPP整備法による著作権の保護期間延長は2018年12月30日に施行されたため、2018年12月31日に期限が切れる予定だった著作物については、総じて延長となり2038年12月31日まで保護されることとなりました。逆に2018年12月30日前に保護期間が終了している著作物については、延長されることはありません。これは一度保護が切れた著作物等について、後で保護を復活させる措置は採らないという著作権法の原則によるものです。

2、著作権を放棄

著作者が「この著作物の著作権を放棄する」と明言している場合は、著作権が失効します。
あえて著作権を主張していないからといって放棄しているとは見なされません。明言していることが重要です。

3、著作権の相続人不在

著作者の死後、著作権を相続しなければ、保護期間内であっても著作権は失効します。
著作権が団体(会社等)所有のものであれば、その団体がなくなる際に著作権処理を行わず、誰も引き継いでいない状態になると同じように失効します。


これらの事情によりパブリックドメインとなった著作物は、自由に複製や上演、利用が可能となりますが、制限が全くないというわけではありません。
例えば、著作権の中でも著作者の名誉や人格を守る権利である「著作者人格権」は、権利が消滅した後も、原則として著作者人格権の侵害はしてはならないとされています。(第60条)
また、著作物を実演したものには著作隣接権が発生します。パブリックドメインになっている楽譜を演奏した場合、その音源には著作隣接権があり、音源の公表後70年間は許諾なく利用できません。さらに、パブリックドメインの著作物をアレンジして作られた著作物には二次的な著作権が発生するので、こちらも許諾なく利用することはできません。

過去の素晴らしい作品を共有できるパブリックドメイン。ルールをよく理解し上手に取り入れてみてください。

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