ペーパーレス化が失敗する原因
ペーパーレス化は必要なものを必要な形で電子化すること以外に、社内のITリテラシー向上と使用するデバイスの設定も重要なポイントになります。また、電子化後のデータ活用をしっかりするために、検索を想定したファイル名にするなど社内ルールの策定も大切です。
社員のITリテラシー
パソコンの操作に慣れない人に、いきなりペーパーレス化を押し付けても、操作も慣れずケアレスミスが起きやすくなります。
結果、データベースにあるはずの資料を見つけられない、開けない、加工しづらいというような意見が出てきて、紙の資料に戻してほしいという要望が上がってきたり、社員が自分で印刷してしまったりというような状況が発生して、ペーパーレス化が失敗することが多くあるようです。
リテラシー(literacy)とは、もともと読み書きの能力を指した言葉ですが、転じて「理解力、応用力」といった意味として使われています。
ITリテラシーといえば「ITに関連したもの = パソコンの操作、アプリケーションの操作、ウェブに関する知識、ウェブを活用する知識」の理解力と応用力を指します。
このITリテラシーを上げることで、ペーパーレス化にどういった利点があるのかがしっかり伝わるようになりますし、データの利用がしやすくなることで業務の効率も上がります。
デバイスが利用者の実情に合わない
紙で持ち歩けないと不便だと主張する人がいます。
製造の現場やストックの倉庫、外回りのセールスやサービス業務の現場にいる、動き回る必要のある人たちに、どのようなデバイスを利用してもらうかが大切です。
また、デバイスに合わせたデータの形式になっていると、より現場の人たちに活用されやすくなります。デバイスやデータが実際に働いている人たちに活用されなければ、ペーパーレス化の投資がすべて無駄になってしまいます。
検索用単語の表記ゆれ
ペーパーレス化のメリットのひとつとして、検索性が高いことが挙げられます。ただし、単語のルールが明確になっていないと、検索が迷子になることもありえます。
同じ語句でも送り仮名が違ったり旧漢字であるなど、書き方が違えば(表記ゆれがあると)検索でヒットしなくなってしまいます。
起こりがちな表記ゆれとして、会社名をアルファベットで記載するか日本語で記載するかです。 アルファベットか日本語か、日本語も漢字なのかカタカナなのか平仮名なのか、その違いで検索を数度行う必要が出てきてしまいます。他にも、日付で検索する可能性があるなら、日付も「令和2年1月2日午後3時4分」「2020/01/02 15:04」など様々な表記があります。
タイトル(見出し)のつけ方を統一するなどし、検索しやすくしておくことがペーパーレス化のメリットをより高めることにつながります。
逆に言えば、こういったルールが明確になっておらず共有されていない場合、「検索できない」というような意見が出てきてしまいます。
電子データ化センターでは効率的な電子化を検討し、タブレット向けのデータ保存も可能です。社員の方々へのタブレットの使い方のレクチャーも行っており、失敗しないペーパーレス実現に向けて様々なご相談をお受けしております。